関係が変わるデジタル断ち

スマホ時間を手放して見つけた、心地よい人間関係と心のゆとり

Tags: デジタルデトックス, 人間関係, 時間の使い方, 心地よい暮らし, 体験談

スマートフォンの画面を眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまう。そんな経験をお持ちではないでしょうか。気がつけば夕食の支度もそこそこに、友人からのメッセージに返信したり、SNSの投稿をチェックしたり。忙しい毎日の合間に「少しだけ」と思っても、ずるずるとスマホから離れられなくなる。

かつての私もそうでした。パートから帰宅して一息つくと、ついついスマホを開いてしまうのです。友人とのグループライン、ネットショッピング、知人の近況を覗き見するSNS。気づけば1時間、2時間と経ち、家族との会話は上の空。昔はよく電話で長話をした友人とも、メッセージのやり取りばかりが増え、実際に会う機会も減りました。どこか満たされない、寂しい気持ちが募っていったのを覚えています。

デジタルデトックスへの挑戦と、一度の失敗

このままではいけない、と感じ、一度デジタルデトックスを試みたことがあります。週末は一切スマホを見ない、寝室にスマホを持ち込まない、といったルールを厳しく設定しました。しかし、通知が来ているのではないかと気になって仕方なく、友人からの急ぎの連絡を取り損ねたらどうしよう、と不安になり、結局挫折してしまいました。私には無理だったのだ、と落ち込んだものです。

無理なく「少しずつ」手放してみた変化

そんな私が再びデジタルとの距離を見直すきっかけとなったのは、ある本で読んだ「完璧を目指さなくて良い」という言葉でした。一度に大きく変えるのではなく、ほんの少しだけ、負担にならない範囲で試してみようと考え直したのです。

まず、不要なアプリの通知をすべてオフにしました。これにより、何か新しい情報が入るたびにスマホを手に取る習慣が減りました。次に、夕食の準備中はキッチンにスマホを持ち込まない、と決めました。音楽を聴きたい時は代わりにラジオをつけました。

たったこれだけのことですが、驚くほど気持ちにゆとりが生まれたのです。通知に追われる焦燥感がなくなり、料理に集中できるようになりました。家族が帰宅しても、すぐに「おかえりなさい」と顔を見て言えるようになりました。

心のゆとりが呼び戻した、温かい人間関係

スマホから少し距離を置いたことで生まれた時間と心の余裕は、次第に私の人間関係にも良い影響を与え始めました。

メッセージのやり取りで済ませていた友人との連絡を、意識して電話に切り替えてみました。すると、文字だけでは伝わらない声のトーンや間の取り方で、相手の元気や悩みがより鮮明に伝わってくるのです。久しぶりに「声を聞けて安心したよ」「なんだか元気になった」と言ってもらえ、表面的な近況報告だけではない、心が通じ合う会話の温かさを再認識しました。

また、近所のスーパーで偶然会った顔見知りの方と、以前なら急いで買い物を済ませて帰るところを、立ち止まってゆっくりお話しすることが増えました。「この間〇〇さんに畑で会ったわよ」「お孫さん、大きくなったわね」といった何気ない会話が、地域の一員としての繋がりを感じさせてくれ、心が和みました。

さらに、夫や子供との関係も変わりました。食事中にスマホを触らないようにしたことで、自然と会話が増えました。テレビを見ている時も、以前より「これ面白かったね」「どう思う?」と声をかけ合うようになりました。些細なことですが、家族と「今、この瞬間」を共有できているという実感が、関係をより確かなものにしてくれたように感じます。

失敗しても大丈夫。ご自身のペースで続けるためのヒント

もしあなたが以前デジタルデトックスに挑戦してうまくいかなかったとしても、それは決して特別なことではありません。多くの方が同じような経験をしています。大切なのは、完璧を目指さず、ご自身のペースで少しずつ試してみることです。

いくつか、私が無理なく続けられた工夫をご紹介します。

デジタルとの「心地よい距離」を見つける旅へ

デジタルデトックスは、デジタルを完全に否定することではありません。私にとってそれは、スマホに奪われていた時間と心の余裕を取り戻し、自分にとって本当に大切な人間関係や、目の前の現実との繋がりを深めるための手段でした。

スマホを手放した先に待っていたのは、失いかけていた人との温かい繋がりや、自分自身の内なる静けさでした。もしあなたが今、スマホとの付き合い方や人間関係に悩みを感じているなら、ぜひご自身のペースで、デジタルとの「心地よい距離」を見つける旅を始めてみませんか。きっと、あなたの日常が、より豊かで温かいものになるはずです。