関係が変わるデジタル断ち

「いいね」疲れを手放してみたら、目の前の人との「ありがとう」が心に響くようになった話

Tags: デジタルデトックス, 人間関係, SNS疲れ, 心地よい暮らし, 心のゆとり

「いつでも繋がれる」はずが、なんだか満たされない日々

パートから帰宅すると、まず手にするのはスマートフォン。夕食の準備をしながら、テレビを見ながら、あるいは休憩時間にも、つい画面を眺めている自分がいました。特にSNSは気になってしまい、「いいね」やコメントに一喜一憂することも少なくありません。友人や知人の近況を知るのは楽しい一方で、どこか疲れてしまうことも増えていました。

昔は、友人とは直接電話したり、喫茶店でおしゃべりしたりすることで、心が満たされていたように思います。それが、今ではメッセージアプリでの簡単なやり取りやSNSの投稿を見ることが中心になり、なんだか表面的な繋がりばかりが増えて、心が通じ合うような深い交流が減ってしまったように感じていました。家族との時間も、お互いがスマホを見ているせいで会話が途切れがちになり、「こんなはずじゃなかったのに」と寂しさを募らせることもありました。

このままではいけないと思い、以前デジタルデトックスに挑戦したこともあります。しかし、「よし、今日から絶対に見ない!」と意気込んでも、結局誘惑に負けてすぐに元通り。自己嫌悪に陥り、「自分には無理なんだ」と諦めかけていました。

無理なく、「小さな一歩」から始めてみる

そんな私が、もう一度スマホとの向き合い方を見直してみようと思ったのは、ある日、娘に「お母さん、またスマホ見てるの?」と寂しそうな顔で言われたのがきっかけでした。完璧なデジタルデトックスは無理でも、少しでもこの状況を変えたい。そう思い、今回は「完璧を目指さない」ことを自分に許し、ごく小さな、無理のない一歩から始めることにしたのです。

具体的に始めたのは、以下のことだけでした。

特にSNSについては、「いいね」の数や他人の投稿に対する「どう見られているか」を気にしすぎている自分に気づき、投稿する頻度を減らし、見る時間も意識的に短くしてみました。

画面の向こうから、目の前の「ありがとう」へ

こうした小さな変化を続けていくうちに、驚くほど気持ちに変化が訪れました。まず、スマホに費やしていた時間が減ったことで、心にゆとりが生まれました。常に「最新情報を見ておかなければ」という焦りや、「いいね」の数を気にするストレスから解放されたのです。

この心のゆとりが、現実の人間関係に良い影響を与え始めました。

完璧ではなくても、あなたらしいペースで

デジタルデトックスと聞くと、難しく考えてしまいがちです。私も一度は失敗しましたし、「完璧にスマホを断つなんて無理」と思われる方も多いでしょう。でも、大切なのは「完璧にやめる」ことではなく、「自分にとって心地よい距離感」を見つけることなのだと、今回の経験を通じて学びました。

もしあなたが、かつての私のように、スマホとの付き合い方に疲れたり、人間関係が希薄になったと感じていたりするのなら、ぜひ小さな一歩から試してみてください。例えば、「朝起きてすぐにはスマホを見ない」とか、「週に一度はスマホを持たずに散歩に出かける」とか、どんなに小さなことでも構いません。

デジタルとの距離を少し見直すことで、きっとあなたの心にもっとゆとりが生まれ、そのゆとりが、目の前にいる大切な人たちとの関係を、より温かく、より豊かなものに変えてくれるはずです。そして、「いいね」の数に振り回されるのではなく、日々の生活の中にある「ありがとう」という温かい響きに気づけるようになるでしょう。

過去に失敗した経験があっても大丈夫です。あなた自身のペースで、心地よい繋がりを取り戻す旅を始めてみませんか。