朝一番のスマホを手放したら、家族との朝の時間が温かくなった体験談
朝のスマホ習慣、見直してみませんか
朝、目が覚めてまず何に手を伸ばしていますか。多くの方がスマートフォンではないでしょうか。ベッドの中で通知をチェックし、ニュースやSNSを眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまう。朝食の準備をしながら、家事の合間に、つい手にしてしまう。気づけば、一日が始まる前からデジタルに囲まれ、心が少しざわつくような感覚になることはありませんか。
かつて私も、朝の時間は特に意識せずスマートフォンを見て過ごしていました。メッセージの返信、届いているメールの確認、SNSの更新チェック。当たり前のように行っていたことですが、そのせいで家族との会話がおろそかになったり、せっかくの朝食の時間がどこか上の空になったりしていたように思います。昔からの友人とのやり取りも、会って話すよりメッセージで済ませることが増え、どこか物足りなさを感じていました。デジタルデトックスという言葉を知り、何度か挑戦してみたものの、完璧にやろうとしてかえって疲れてしまい、長続きしなかった経験もあります。
もし、あなたが私と同じように、スマートフォンの利用時間が増え、身近な人との関係が少し希薄になっていると感じていたり、デジタルとの付き合い方を変えたいと思っているものの、どうすれば良いか分からなかったりするなら、ぜひこの記事を読んでみてください。今回は、私が「朝一番のスマートフォン」を手放してみたことで、日々の暮らし、特に家族との朝の時間がどのように温かいものに変わっていったのか、そして、どうすれば無理なく続けられるのかを、自身の体験を交えてお話しいたします。
なぜ、朝一番のスマホをやめようと思ったのか
朝一番にスマートフォンを開くと、頭の中に情報が次々と入ってきます。仕事の連絡、友人からのメッセージ、世の中で起きている出来事。まだ体も心も目覚めきっていない時間に、多くの情報が飛び込んでくることで、一種の「情報過多」の状態になり、それが知らず知らずのうちに焦りや不安につながっているのではないかと感じ始めたのがきっかけでした。
また、家族が起きてきても、「ちょっと待ってね」とスマートフォンから目を離せなかったり、朝食中も気になって通知をチェックしたりする自分がいました。会話をしていても、スマートフォンの画面が視界の端にあることで、家族の表情をしっかり見られていない、心ここに在らずの状態になっていることに気づき、このままではいけない、と思ったのです。以前試みたデジタルデトックスは、「一日全く触らない」といった極端な方法を選んでしまい、挫折しました。そこで今度は、「朝一番」という特定の時間帯に焦点を絞り、無理のない範囲で変化を起こしてみようと考えたのです。
小さな一歩から始める朝のデジタルデトックス
いきなり朝のスマートフォン利用をゼロにするのは難しいものです。特に、目覚まし時計としてスマートフォンを使っている方や、通勤・通学前に必ず情報をチェックする必要がある方もいらっしゃるでしょう。大切なのは、「完璧を目指さない」ことと、「自分に合った小さなルール」から始めることです。
私が試して効果を感じたのは、以下の方法です。
- 目覚まし時計を別に用意する: スマートフォンを寝室に持ち込まない、あるいは枕元から少し離れた場所に置くために、昔ながらの目覚まし時計を使い始めました。これにより、目が覚めてすぐに手が伸びるのを防ぎました。
- 起きてから最初の15分はスマートフォンを見ないルール: まずは15分から始めました。起きたらすぐにカーテンを開けたり、ストレッチをしたり、お白湯を飲んだり。スマートフォン以外のことに意識を向ける練習をしました。慣れてきたら、この時間を30分、1時間と少しずつ延ばしていくこともできるでしょう。
- 朝食中はスマートフォンを見ない、音を消す: 家族が全員揃う朝食の時間だけでも、意識的にスマートフォンをテーブルに置かない、あるいは通知音をオフにするようにしました。
もし、これらのルールを守れなかった日があっても、自分を責めないことが大切です。「まあ、今日は仕方ない。明日またやってみよう」と、気楽に考えるようにしました。失敗を恐れず、小さな成功体験を積み重ねていくイメージです。
朝の変化がもたらした温かい時間と心の余裕
このような小さな習慣の変化を意識して続けてみたところ、驚くほど朝の時間が穏やかになったと感じています。
まず、朝一番に情報が入ってこないことで、頭の中が静かになり、心にゆとりが生まれました。バタバタと情報に追われるのではなく、自分のペースで一日を始めることができるようになったのです。
そして何より嬉しかったのは、家族との朝の時間が劇的に温かくなったことです。朝食中、家族の顔を見ながら、「よく眠れた?」「今日の予定は?」といったごく当たり前の会話ができるようになりました。以前は上の空だった私の態度が、家族にも伝わっていたのかもしれません。私が意識的にスマートフォンを手放したことで、子どもや夫も自然とスマートフォンを見る時間が減り、食卓に笑顔が増えました。
朝の時間に心と時間に余裕ができたことで、例えば、子どもが学校に行く前に「行ってらっしゃい」としっかりと目を見て伝えたり、夫に温かいコーヒーを一杯淹れてあげたりする、といった小さなことができるようになりました。これらの行動一つ一つが、家族の絆を深め、互いを思いやる気持ちを育んでくれたように感じます。
この変化は、家族関係だけに留まりませんでした。朝の穏やかな気持ちが一日を通して続き、パート先での同僚とのコミュニケーションが円滑になったり、昔からの友人とのメッセージのやり取りも、より丁寧に、相手を思いながら送るようになったりしました。デジタルから少し距離を置くことで、現実世界での人間関係に、より心と時間を使えるようになったのです。
まとめ:無理なく、心地よく。デジタルとの新しい付き合い方
デジタルデトックスと聞くと、難しそう、自分には無理、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私の経験から言えるのは、完璧を目指す必要はない、ということです。まずは「朝一番」や「食事中」といった特定の時間帯から、あるいは「寝室に持ち込まない」といった特定の場所から、小さなルールを一つだけ始めてみることです。
失敗しても大丈夫。翌日からまた再開すれば良いのです。大切なのは、デジタルに支配されるのではなく、自分がデジタルを「使う」意識を持つこと。そして、生まれた時間や心の余裕を、身近な大切な人との関わりに使ってみることです。
朝のスマートフォン習慣を少し見直すだけで、日々の始まりが穏やかになり、家族との時間、友人との時間、そして自分自身の時間をより豊かに感じられるようになります。デジタルとの健康的な距離感を保ちながら、温かい人間関係を育んでいく。ぜひ、あなたも明日から、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。