関係が変わるデジタル断ち

あの頃の友達とまた笑える!スマホを少し手放したら見えた景色

Tags: デジタルデトックス, 人間関係, スマホ時間, 実体験, 心のゆとり

私たちの日常に、スマートフォンやデジタルデバイスはすっかり欠かせない存在となりました。いつでもどこでも必要な情報にアクセスでき、遠く離れた方とも瞬時に繋がれる便利さは、計り知れません。しかし、その便利さと引き換えに、私たちは大切な何かを失っているのではないかと感じることはないでしょうか。

特に、私たち50代、子育てが一段落し、自分の時間が少しずつ持てるようになった頃、ふと気づけばスマートフォンの画面を見つめる時間が、以前とは比べ物にならないほど増えていることに驚かされます。友人との連絡も、もっぱらメッセージアプリ。昔のように、電話で長話したり、気軽に「お茶しようか」と誘い合ったりする機会が減ったように感じています。画面越しの薄い繋がりばかりが増え、本当に心を許せる友人との深い交流が減ってしまったことに、寂しさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

デジタルデトックスに挑戦してみようと意気込んだものの、通知が気になったり、情報から取り残される不安に駆られたりして、結局いつもの生活に戻ってしまった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。完璧を目指すと、かえって挫折感に繋がります。大切なのは、無理なく、ご自身のペースで続けていくことです。

無理なく「スマホを少し手放す」再挑戦から見えた景色

私は一度、デジタルデトックスに挑戦して失敗しました。一日中スマホを見ない、という目標が高すぎたのです。その経験から学んだのは、「完璧を目指す必要はない」ということでした。そこで、もっと緩やかな「スマホを少し手放す」ことに挑戦し直してみました。

例えば、朝起きてすぐにスマホを見ない時間を作ることから始めました。代わりに、窓の外を眺めたり、ゆっくりお茶を淹れたりする時間を持つようにしたのです。また、日中の特定の時間帯(例えば午後3時から5時まで)は、意識的にスマホを触らないと決めたり、夕食時は家族全員がスマホをテーブルに持ち込まないというルールを作ったりしました。スマートフォンの通知をほとんどオフにしたことも、大きな変化でした。いちいち画面を気にする回数が劇的に減り、目の前のことに集中できるようになりました。

最初は少し物足りなく感じることもありましたが、すぐにその変化が、自分の時間や心のゆとりに繋がっていることを実感しました。そして、この「ゆとり」が、私の人間関係に温かい変化をもたらしてくれたのです。

画面越しの繋がりから、心通う交流へ

スマホを見る時間が減ったことで、家族との会話が自然と増えました。それぞれの今日の出来事をゆっくりと話し合ったり、一緒にテレビを見ながら笑ったりする時間が増えたのです。画面に気を取られることなく、家族の表情を見ながら話せることの温かさを改めて感じました。

友人との関係にも良い影響がありました。メッセージアプリでの形式的なやり取りだけでなく、久しぶりに昔からの友人に電話をかけてみました。画面上では分からない、声の調子や話し方から、相手の元気そうな様子や少し疲れている様子が伝わってきて、メッセージだけでは得られない深い安心感がありました。「久しぶりに話せて嬉しかった」と友人も喜んでくれて、心が通じ合ったように感じたのです。

また、意識的に友人との「会う約束」を増やすようにしました。近所の方と散歩がてら立ち話をする、昔からの友人と少し遠出してランチに行くなど、画面越しではない、直接顔を見て話す時間の貴重さを再認識しました。他愛のない話から、お互いの近況や悩みまで、時間を気にせずじっくりと語り合う時間は、何物にも代えがたいものです。

デジタルデトックスと聞くと、「便利さの放棄」や「我慢」のように感じられるかもしれません。しかし、私が経験したのは、デジタルから少し距離を置くことで、失いかけていた実生活での大切な繋がりや、自分自身の心と向き合う時間を取り戻すことでした。

無理なく、少しずつ、あなたらしいペースで

デジタルデトックスに一度失敗しても、それは全く問題ありません。完璧を目指す必要はありません。まずは「寝る1時間前からはスマホを見ない」や、「休日のお昼の1時間だけは触らない」など、ほんの小さな目標から始めてみるのはいかがでしょうか。

スマホから少し離れる勇気を持つことで、今まで気づかなかった日常のささやかな幸せや、目の前にいる大切な人との心の繋がりを再発見できるかもしれません。そして、それはきっと、画面の「いいね」では得られない、温かく満たされた感覚を与えてくれるはずです。

この記事が、もしあなたが同じような悩みを抱えているとしたら、無理なくデジタルと付き合い、実生活での人間関係をより豊かなものにしていくための一助となれば幸いです。